独り者のストレス

 こんにちは。オレです。

 嫁の両親は二人とも健在です。お義父さんは少し身体が不自由ですが、二人で元気に暮らしています。

 頑固親父と、しっかりものの母親という、いかにも“昭和”を絵に描いたような夫婦です。お義父さんは年齢的な事や身体が自由に効かない等で、若干ワガママじいさんになっています。

 お義母さんに対して「あれをしろ!これをしろ!」と上から目線で命令します。それに対しお義母さんは、文句を言いながらもお義父さんの言う事を聞きます。

 でも二人は仲良しです。傍からみたら、喧嘩に見えても長年連れ添った夫婦ならではの阿吽(あうん)の呼吸でやりとりしているのでしょう。

 このように、お年寄りの夫婦が口喧嘩みたいにやりとりをする事で、お互いのストレスの発散になっているパターンがあると思います。

 他の家族や、友達間では成立しない関係性なのではないでしょうか。

 うちの親父は、お袋を12年前に亡くしています。それ以来、子供や孫と同居はしていますが、つれあいとのやりとりでしか発散できないストレスをずっと抱えて生きているような気がするのです。

 うまくは言えませんが、それに加えて、オレや嫁、それに孫に対して何か遠慮がある感じがします。

 認知症になってからの親父の口癖は「すみません」です。朝、布団を畳んでやったら「すみません」、薬を飲む補助をしてやったら「すみません」、新聞を取ってやっても「すみません」です。

 これが本心から言っているのかどうかは別として(笑)、「すみません」の裏には、面倒をかけてしまっている遠慮がチラホラと見え隠れするのです。

 介護を受けている側のストレスって中々見え辛いものです。しかし、親父が言う事を聞かずにイラっとした時はこの事を思い出し、グッと堪えるオレでありたいと思うのでした。

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