70年前の記憶

 こんにちは。オレです。

 ここのところ、親父は、これといって変わったところもなく、小康状態が続いています。夜8時頃には就寝し、朝7時頃起床の『早寝・遅起き』の11時間睡眠。一般的に年を取ると睡眠時間が短くなると言われますが、年寄りも峠を越えると(笑)、子供返りで、睡眠時間は長くなるみたいですね。

 ただ、夜中に数回トイレに起きるのは相変わらずです。オレらとしては、夜用の紙パンツを穿いているのだから、そのままそこにやってくれたほうがいいのですが、絶対に起きてトイレに行くのです。

 そのトイレに立つ時の5回に1回は、玄関から外に出ようとします。本人に「どこに行くの?」と聞くと「トイレ」と答えます。

 すっとこれが謎でした。せん妄症状が酷い時、自宅にいる事が分からなくなり、「お世話になりました」と荷物をまとめて外に出ようとする事はありました。しかし今の「トイレに行く」と言っている親父には、ちゃんと自宅にいるという感覚はあるみたいなのです。徘徊で外に出ようとしてるのではないのです。

 数日前、親父が通うデイケアで、利用者家族の意見交換会がありました。オレは用事で行けなかったのですが、出席した嫁が、この親父の行動について話しました。すると、他の利用者家族の人から「もしかして、昔、外にトイレがある家に住んでいたのではないですか?」と尋ねられたそうです。

 帰宅した嫁からその事を聞いて、オレはピンと来ました。昔の田舎の家って風呂やトイレが外にありましたよね。親父が生まれ育った家も確かそうだったはず。

 でも、親父は旧制中学に上がる頃から、親元を離れて暮らしていたと聞いてますから、その田舎の家で過ごしたのは、多分15、6歳くらいまでだと思います。となると、70年くらい前の記憶が甦っているのでしょうか。

 物心ついてから、色んな事を吸収する成長期の事なので、体に染みついているのかもしれませんね。これもまた、睡眠時間が長くなっているのと同じで子供返りなのかなぁ。

本日のじい様プレート

(豚肉ニラ炒め、ピリ辛手羽先、きんぴらコンニャク)

コメント