親父、行方不明になる

 こんにちは。オレです。

 数日前、ちょっとした事件が起きました。書くべきかどうかしばらく迷ったのですが、ここは親父の介護の備忘録の役割もあるので、残しておく事にします。

 夕方4時頃、親父の通所デイサービス施設から連絡がありました。親父がいなくなったと。

 親父は夕方になると帰宅スイッチが入り、施設の玄関にある椅子に座る事があるらしく、その日も定位置に。スタッフさんがちょっと席を外して戻ってみると、玄関から親父の姿が消えていたそうです。

 扉は施錠されていて、利用者が勝手に出られないようにしてあるのですが、親父は普段からのスタッフの動きで鍵の開け方を知っていたらしく、自分で解錠したみたいです。

 スタッフさんが手分けして探しても見つからず、警察に連絡。同時にオレへも電話をしてきたという事です。

 オレは「心配していた事がついに起こった」と感じました。日頃から親父は落ち着きがありません。自宅でも脱走して、数百メートル離れた場所まで追いかけた事が何度かあります。常に目が離せないのです。

 息子が冬休みで家にいたので、電話番を頼みオレも施設へ。出動してきた警察の人に親父の特徴を説明。パトカーも数台出て探してくれている様です。

 もしかしたら歩いて自宅へ向かってるかもしれないと、送迎車の運転手さんから普段の帰宅経路を聞き、それに沿って家に向かう事にしました。

 時刻は6時。親父が消えてから約2時間。周りも薄暗くなってきています。年末のラッシュアワーで車の量が半端なく、中々進む事ができません。

 しばらくすると家から電話が。親父の帰宅経路上にある眼鏡屋さんから「お父さんがご来店してます」と連絡があったそうです。

 そこは親父が何十年も前から利用している馴染の店で、ご主人は現在の親父の状況も知っておられ、一人での来店に違和感を感じ連絡してくれたそうです。

 オレが眼鏡屋さんに着くと、普段通りの元気な親父の姿が。落ち着きなく、また歩いて帰ろうとするのを眼鏡屋さんが引き止めてくれてました。

 「お父さん、心配しましたよ」と声かけても親父はまったく悪びれる様子もありません。眼鏡屋さんにお礼を言って帰宅。

 しばらくすると、連絡を受けた警察の人が「念のため無事の確認をさせてください」といらっしゃいました。「お父さん、無理しちゃダメですよ」とお巡りさんに注意されても「でへへへへ」と笑う親父。事の重大さを全く分かってない様子。

 続けて施設の代表の方とスタッフさんも来て「申し訳ございませんでした。今後、再発防止に努めます」と平謝り。それに対してもニヤニヤする親父。それどころか施設の人が帰った後「今来たのは誰だ?」と言う始末。

 結局、周りの人間が心配して大騒ぎになっても、当の本人が一番分かってないようでした。

 今回の件、確かに施設のミスですが、オレはそれを責めようとかいう気はまったくありません。日頃から一生懸命にやってくれているし、人手不足で大変なのも理解しています。

 まして、親父のように自由に動けて落ち着きのない老人を常に見守るのは大変だろうと思います。ですから、非難するつもりでここに書いたのではなく、あくまでも親父の介護生活の備忘録なのです。再発防止をしてくれればそれでいいのです。

 それにしても施設から眼鏡屋さんまで約2km。よく歩いたものです。まだまだ足腰は元気な様です。翌日には足が筋肉痛みたいでしたが(笑)

本日のじい様プレート

(カレイとイカの唐揚げ、豚肉と白菜の煮込み、チャーハンおにぎり)

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