他に選択肢が無いからの介護離職

 こんにちは。オレです。

 毎朝、朝食を済ませデイケアのお迎えが来るまでの間、待ちきれない親父が脱走するのを監視しつつ、テレビで「羽鳥慎一のモーニングショー」をだだ流しにするのが日課となっております。

 本日も親父の動きに神経を尖らせながら、何げに見ていました。すると今話題のブラック企業について放送されていました。有名居酒屋チェーンが新入社員を過酷な労働で自殺に追い込んだというアレです。

 で、ブラック企業の現状について、なんたらかんたらという解説があり、登場したのが元大阪の放送局のアナウンサーの人で、自分が現在体験している事について語っていました。

 バリっとスーツを着こなし、元アナウンサーらしくハリがあり聞き取りやすい声。一見立派に見えるこの人がなんでブラック企業で働いているのでしょうか?実はこの人、介護離職でアナウンサーを辞めて、その後介護していた家族が亡くなられて社会復帰。しかし正社員で雇ってくれる会社が無く、派遣社員として働いているんだそうです。

 元局アナという特殊な職種で、いくらでも仕事はあるんのでは?と思いましたが、そこに存在するのは年齢とブランクの壁だそうです。

 番組内では、会社側が社員を採用する時の優先順位を性別・年代別で分けていました。

  • 若い女性
  • 若い男性
  • 年配の女性
  • 年配の男性

 この4つです。

 これはそのまま採用率高い順番らしいです。

 1番目が「若い女性」これは需要が高いらしいです。2番目が「若い男性」・・・体力があって素直。3番目が「年配の女性」・・・人当たりが良く、穏やか。そして最後が「年配の男性」・・・体力は無く、プライドが高い。企業側からしたら避けたいのも当然でしょう。

 必然的に年配の男性が向かう先は、賃金が安く、労働条件が過酷ないわゆるブラック企業なのです。そりゃ、他に行くところがないから生活の為にはどんな条件でも我慢して働きますよね。

 オレも決して若くありません。親父が死んで、社会復帰して働こうとした時に受け入れてくれるところはあるのだろうか?過酷な条件下でヒーヒーいいながら働かなければいけないのではないだろうか。朝からとてもブルーな気持ちになったのでしたΣ(゚д゚lll) そうならない為の自己防衛が必要です。

 介護生活されている人のほとんどが、今日明日の世話にいっぱいいっぱいで、その先にある自分の人生を考える余裕がないんですよね。離職しての数年のブランクは社会人としてかなり痛いです。採用する企業側も「介護」という事を考慮してくれないとか。

 しかし誰も好き好んで介護離職するわけじゃないですよね。みんな出来るなら、自分で選んだ仕事をして、自分の生活を謳歌したいのです。でも、ひとりで生活できない親を放置する事はできない。その間で悩んで苦しんで、自分の仕事を捨てて世話しているのです。

 人間として当然の事をしているとオレは思います。それが、いざ社会復帰という時に単なるブランクとして扱われる現実。何かが間違っているのではないでしょうか。みんな仕事がしたくても他に選択肢が無くて離職した人間なのです。

 安倍政権が「介護離職ゼロ」を目指して、これから色々な政策を打ち出していくと思います。施設の拡充や人員確保。難しいでしょうが是非実現してもらいたいです。それに加えて、すでに介護離職をしている人の保護も考えて欲しいです。

本日のじい様プレート

(サバの味噌煮、鶏肉とジャガイモの炊き込み、揚げ出し豆腐)

コメント