人間の習慣

 こんにちは。オレです。

 ここ最近の親父、新しいものに対する関心が殆ど無くなり、覚えようともしません。

 例えば、在宅介護の為に買ったソファーベッド。

 ①と②のように、簡単に形を変えられるのですが、このやり方を一向に覚えようとしません。

 下手すると②の形のまま強引に布団を敷いて寝ています。

 少し前に買った電気シェーバーも使い方の記憶が飛んでいます。充電する際、普通に充電器に本体を設置すればいいのに、何故か電源を入れないと充電できないと思い込んでいます。

 うぃ~~~~~~~んと起動音が鳴ったまま、何時間も充電している事がよくあります。

 この他にも、日常生活で出来なくなった事がたくさんあります。

 これを踏まえた上で心配になるのが、夜中のトイレです。

 せん妄症状で、自分のいる場所や時間がタイムスリップしてしまう事もあるので、トイレの場所もよく分からなくなっているのではないかと心配でした。

 押入れの襖を開けて、おしっこ直撃させやしないかとヒヤヒヤな毎日。

 その為に、コトッと物音がすると、親父のとこに飛んでいきトイレまで連れて行く生活をしばらく続けていました。

 それでも、オレが気づかない事は何回かあったはずです。しかし、押入れにおしっこという惨事は一回も起こっていません。家中、どこにもトイレ以外で親父のマーキング形跡は無いのです。

 先日の夜中、いつものように「ここは旅館ですか。帰ります。」とせん妄タイムスリップ状態に入った親父に「トイレに行ってから帰ってください。」と試しに言ってみました。

 すると「わかりました」とトコトコとトイレへ。家か旅先か分からないのに、トイレの場所はしっかりと分かっているのです。

 頭で分かっているというより、体が勝手に反応しているのでしょう。長年の人間の習慣おそるべしです。

 これまで、オレの気づかぬ間のトイレタイムもきっと、無意識に体が動いて場所は間違えずにいたのでしょうね。

 そんな親父が出たあとのトイレ。若干しくじって床が濡れていたのはご愛嬌ですが(笑)

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