親父、終身雇用制にこだわる

 こんにちは。オレです。

 先月迄2つのデイサービスを掛け持ちしていた親父。認知症発症時から半年以上通所している施設A。昨年末から通所開始した施設B。

 元々、気が早い方で毎朝の出かける準備もお迎えの2時間前には完了していました。それが掛け持ちを始めた頃から、お迎えを待ちきれずに「いってきます。」とひとりで外に脱走する事が度々。それを連れ戻すのにひと苦労していました。時間になったら迎えに来るからと何回言っても聞き入れてくれず、半ば強引に連れ戻していました。

 何故そんなに早く出かけたがるようになったのか、疑問に感じていました。

 今月から諸事情でBを辞め、Aだけの利用になりました。相変わらずお出かけ準備は早いですが「いってきます」と脱走しかけても「お迎えはまだですよ」と言うと素直に戻ってくるようになったのです。

 元々施設Aに仕事に行ってる感覚だった親父。それがBとの掛け持ちで仕事場を左遷されたと思い込んでいたのかもしれません。

 お迎えが来る前に脱走してたのはBに行きたくなくて逃げていたのです。いや逃げていたというより、Aに行かなくてはいけない使命感がそうさせたのかもしれません。

 責任感が強く真面目な性格なので、毎日Aに行って仕事を全うしないと気が済まなかったのでしょう。仕事に行くといっても一日ソファーに座ってのんびりと過ごすだけなのですが(笑)

 今でこそ転職は珍しくない世の中ですが、うちの親父が現役バリバリだった昭和は「終身雇用制」が当たり前の時代。親父達は、一度は就いた仕事を天職と思い貫き通す性根が座った世代なのです。

 そう考えると親父の行動パターンも色々つじつまが合ってきました。やはり良く言われるように、認知症患者の行動にはちゃんと理由があるのですね。

 ちなみに施設Aだけの利用になって落ち着いてきた親父。夕食の時に「月曜日は朝9時に迎えに来ると言ってた」と正確な時間を自分で宣言していました。でもまた忘れちゃうんだよな(笑)

コメント