「そして父になる」で思った血の繋がり

 こんにちは。オレです。

 2週程前、是枝裕和監督、福山雅治主演の映画「そして父になる」がテレビで放送され、録画していたのをやっと見ました。

 産院での子供の取り違えをテーマにし、それまで「父親をやっていた」男が、実の子、育ての子との触れ合いの中で本当の父親になる事に目覚めるといった内容でした。

 映画の中では当初、血の繋がりを重視して、それぞれの親が実の子供を引き取る事から物語は展開していきます。

 そしてオレは観ていく中で「血の繋がり」の重要性について考えました。

 オレの義母(嫁の母)は、嫁が幼い頃に当時の旦那さんと離婚しました。しばらくして今の義父と再婚。

 義父はオレの嫁を実の娘のように可愛がり、義父の連れ子だった姉とも分け隔てなく育ててくれました。物心ついていなかったオレの嫁も義父を本当の父親だと思い、今も普通の親子関係です。

 嫁に本当の父親に会いたいと思った事はないかと聞いた事があります。でも「記憶に無いし、今のお父さんが本当のお父さんと思っているから、まったく会いたいとは思わない」と答えました。現実主義者らしい嫁の考えです。

 人にもよりますが、実際に血の繋がりにこだわるのは親だけで、育てられた子供は長年一緒に過ごした時間と歴史を重視するのではないでしょうか。正に「生みの親より育ての親」ですよね。

 オレに話を置き換えてみると、親父もお袋も実の親です。でもオレが子供の頃、長く親父は単身赴任で別居状態でした。その為、普通の親子のように一緒に過ごした記憶がありません。

 中学生の頃、ようやく一緒に住むようになった親父。でもオレはどう接していいか分からずにギクシャクした毎日。腹を割って話した事もありませんでした。そして大学進学でオレが家を出てからまた別居。15年前に諸事情で再び同居しても、生活の時間帯も違い触れ合う事もほとんど無かったのです。

 正直言うとオレの中で親父とお袋は存在が違いましたお袋に対してはずっと一緒に暮らした親としての意識はありましたが、親父にはそれが無かったのです。それどころか、オレとあまりにも性格が違い過ぎる為、嫌悪感すら持っていました。

 そして今、「血の繋がり」という縛りで始めた介護生活ですが、これまでに無かった一緒に過ごす時間の多さで少しずつ親子になっているのかなと思っています。

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