心の中の「へぇーボタン」

 こんにちは。オレです。

 うちの息子は医療系の専門学校に通っています。そこで専攻ではありませんが、介護職の研修を受けてきました。その時に使ったテキストを何かの参考になればと譲り受けました。

 認知症についてもタイプ別で詳しく書かれています。アルツハイマー病脳血管性認知症レビー小体病前頭側頭葉変性症慢性硬膜下血腫等々。

 うちの親父はアルツハイマー型・・・その項を読んでみると、「初期」「中期」「後期」に区分けされるとの事。

 「初期」  記憶の障害が目立ち、いつも探し物をしていたり、直前にあった事をすぐに忘れたりする為に不安感が強く、うつ状態になる事も。同じものを何度も買ってくる、忘れた事について問われても「わからない」と言えず何らかの言い訳をするといった事が起きる。

 なるほど、この状態は5年位前の親父にピタリと当てはまります。とにかく心配性で、買い物に出かければ毎回ティッシュペーパーや卵を買って来ていました。当然家の在庫はお構いなし。倉庫も冷蔵庫も親父の買ってきたストックでパンパン。嫁から「必要な分だけ買ってきて」と注意されても、「必ずいるものだからあっても困らない」との返答。牛乳等の食品は腐るから、失くなってから買いに行ってと言うと「牛乳は腐ったらヨーグルトになるから問題ない」との持論を展開していました。

 すでにこの時に「初期症状」が始まっていたのですね。

 「中期」  季節や日付、時間的な事柄についての見当識が失われ、次に場所の見当識が失われる。このことが徘徊に繋がり、場所間違いを起こす。失語が進み、自発的に話す事が減る。食事動作、排泄動作、入浴動作などの日常生活動作ができなくなっていく。

 今の親父はまさにこの状態のど真ん中だと思います。「今日何曜日だっけ?」の質問にはカレンダーを、「何時だっけ?」の質問には時計を見せていますが、それぞれの見方が分からないようです。たまには「今何時かな」といいながらカレンダーとにらめっこしています。使用する単語もかなり減りました。会話のほとんどが「あれ」「それ」ばかりです。「あれがそれしてあれになったから、あれした」と。日常生活動作も食事以外は介助真っ只中ですね。

 このような症状を小休止を挟みながら、ゆるやかに認知機能が低下するそうです。そして「後期」になれば、ほぼ寝たきり状態。親父が最近調子がいいのも小休止状態に入ってるのでしょう。

 オレが介護を始めて1年。色々と経験した事が感覚的に頭に残っています。その中には自分なりに納得できたものもあれば、ずっと「なぜ?」と疑問のままだったものもあります。

 この本を読み込んでいくと、その「なぜ?」に対する答えが突然出てきたりします。ちょっと古いですが「へぇーボタン」を心の中で連打中なのです。

昨日のじい様プレート

(栗ごはん、厚揚げと鶏肉の煮物、山芋とめかぶの酢の物、さんまの甘露煮)

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