西田敏行さん逝去に思う介護の泣き笑い

 こんにちは 前回投稿に続きまして、8年後(2024年10月現在)のオレです。

 俳優の西田敏行さんがお亡くなりになりました。オレの世代的には、西遊記の猪八戒役や、『池中玄太80キロ』などの他、『探偵ナイトスクープ』の局長等、ドラマ・映画・バラエティの多岐にわたり活躍されていた役者さんでした。前回の大山のぶ代さんと同じく、いることが当たり前の存在。常に優しく、面白く、しんみりと泣かせるオーラを世間に発信されていた方だと思います。“泣き笑い”という言葉がこれほど似合う方はいらっしゃらないのではないでしょうか。

 様々な代表作がある方ですが、オレ的に一番印象に残るのが、2021年にTBSで放送されたドラマ『俺の家の話』です。

 プロレスラーの息子(長瀬智也さん)が能楽の宗家の父親(西田さん)の為にプロレスを辞めて介護を開始するという内容です。宮藤官九郎さん脚本ですので、軽いノリのコメディかと思いきや、ちゃんと介護の実情をしっかりと描いていました。

 息子が父親を介護する状況・・・8年前のオレら親子と一緒です。その時に感じた入浴や排泄の世話をする時の戸惑いが、そのままドラマでも表現されていました。

 父親の歩行リハビリの為にシルバーカーを用意したシーンで、父に拒絶されて悲しむ子供達にケアマネジャーが言ったセリフ・・・「介護をイベントと思って楽しみましょうよ」

 オレの中に共感の気持ちが込み上げてきました。オレらも親父の為に作ったワンプレート料理の写真をホームページにアップする等、介護の中に楽しみを見つけて過ごしていました。このブログだってそうです。クドカンは在宅介護の現実をしっかりと取材して脚本を書いたのでしょうね。

 長瀬さんと西田さんの掛け合いも最高でした。『タイガー&ドラコン』の時からの名コンビですよね。親子それぞれの想いが空回りして、中々真意が伝えられない。たとえ伝わっていても、素直に受け入れられないというジレンマが見事に描かれていました。

 西田さんの一家の長として、“介護される”という立場が頭では分かっていても、心が付いていかないという自身のプライドとの決着の付け方の表現力が絶妙。その演技力で、オレの親父がどのような気持ちだったのか想像でき、何度も泣きそうになりました。

 本当に介護経験者からすれば“泣き笑い”しながら観られるいいドラマでした。今、NetflixAmazonプライムの配信で見れるようです。

 西田さんの御冥福をお祈りしながら、オレ自身の介護生活の振り返りとして、もう一度鑑賞したいと思います。

西田敏行さん死去 長瀬智也が追悼「愛してます」2Sも投稿 クドカン脚本ドラマでは親子役で何度も共演

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