ヤマガミさんが来ない!

 こんにちは。オレです。

 睡眠導入剤の服用を始めてから夜中にゴソゴソと動きまわる事も無くなり(オレが気づいていないだけかも?)、ショートステイのお泊りも以前ほど大暴れせずにこなせるようになったうちの親父さん。

 肉体的衰えは見せても、精神的な落ち込みは止まっているみたいです。知らず知らずのうちに親父自身も認知症と上手く付き合う術を身につけたのでしょうか。

 そんな感じで平穏無事な毎日を送っております。ただ唯一の難点は親父の脳内ストーリーのバリエーションの幅がかなり広がっております。

 相撲部屋のスカウトになったというストーリーは一応完結しましたが、別に新キャラが登場しました。

 昨日の夕方、デイサービスから帰宅後「アレは来たか?」とオレに訊ねる親父。

 「はて?アレってなんですかいな」

 「アレっていったらソレだろうが」

 「ソレもドレもオレにはわからん」

 「ほら、○○町の町議会のアレだ、ヤマガミだ」

 ○○町とは親父が生まれ育った町。親父自身もそこを離れて60年以上。町議会議員の人とお付き合いがあるとは初耳です。

 「そのヤマガミさんが来るの?」

 「ヤマガミの息子がいただろうが。それと二人で来る」

 「いやいやお父さん。ヤマガミさんと言われてもオレは会った事ないし顔も知らんのです」

 「それはそうだろう。俺も知らん」

 はぁぁぁぁ!!!???知らない人がなんでうちを訪ねてくるのだ。というツッコミを抑えて事情聴取を続けます。

 ヤマガミさんは生まれた豚を抱えて船に乗ってやってくるとの事。しかもオレが来てくださいと連絡したとの事。

 そして仕事から帰宅した嫁をつかまえて、またヤマガミさんの説明を始める親父。「はいはいヤマガミさんね」と話を合わせる嫁。

 その後、夕食を終えてもまだ来ないヤマガミさん。親父は「あの馬鹿たれは何をしてるんだ」と少しお怒りモード。

 ヤマガミさんお願いします。早く豚を抱えて来てくださいと心の中で手を合わせるオレ(なんじゃそりゃ)

 そんな事をしているうちに眠剤が効き出して親父はコテンとご就寝。一夜明けると予想通りにヤマガミさんの記憶は消去されていました。

本日のじい様プレート

※ナスの味噌煮、魚のすり身揚げ、若鶏の唐揚げ、マカロニサラダ

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