深夜の親父劇場

 こんにちは。オレです。

 仕事を辞めて、親父の介護に入る事となりましたが、普段の生活の中でオレがどれくらい必要かと言いますと・・・・

 現状、「食う、出す、寝る」の生命維持の為の3つのうち「食う、出す」に関して親父は人の助けを必要としません。

 若干、食事をポロポロこぼしたり、たま~~~~にう○こを便器外に投下したりする事はありますが、それはあとから始末をつけられるレベルで、急を要するものではありません。

 しかし「寝る」という行動には介護というか、監視が必要になります。

 別に添い寝して「ね~んねん ころり~~~♪」と気持ち悪く歌ってあげる訳ではありません(笑)

 夜も更けてくると、親父は見えないものが見え出し、居るはずのない場所に自分が居るという設定になるのです。

 「深夜の親父劇場」が時々幕開けします。

 親父が寝ている隣の部屋でオレは待機しています。テレビを見たり、PCをいじったり、別のものをいじったり(謎)しながら過ごしていると、扉を開けて顔を出す親父。

親父「あ、こんばんは。どうもお世話になりました。」

オレ「はい、こんばんは。」

親父「私、これで帰りますので、料金はおいくらでしょうか。」

オレ「いえいえ、お金はいりませんよ。」

 とりあえず、親父の言う内容にすり合わせしておきます。

親父「あ、そうですか。ではでは失礼します。出口はあちらでしょうか?」

オレ「今日はもう遅いですので、帰られるのは明日の朝にしましょう。」

親父「そうですね。それではおやすみなさい。」

 そして、再びベッドに戻り眠りにつきます。

 翌朝、何事も無かったのように起きてくる時もあれば、まだまだ劇に続編がある時も。

 そんな時は「車でお送ります」と近所を少しドライブすると、途中で劇は終了し、親父は現実世界に戻ってきます。

 夢の世界と現実の世界の垣根が無くなっているんでしょうね。

 といった感じで、「深夜劇場」に共演する為に「寝る」という行為には監視が必要なのです。

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